とらねこじじの雑記帳

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◆夕張の医療再生に逆転の発想!破綻の町で予防医療の実現を !

「破たん夕張 市立総合病院 委託運営に名乗り」という
記事を読んで感銘を受けました。

北海道夕張市は昨年、360億という巨額の返済すべき負債を
抱えて財政破綻状態にあることを宣言し、一気に有名になり
ました。自治体の財政破綻は1992年の福岡県赤池町以来
15年ぶりでしたが、今後「情報公開」が進めば、ほかにも
綻の瀬戸際にある自治体が続出するのかもしれません。

夕張では、市だけでなく市立総合病院も約40億円の負債を
抱えて事実上破綻しています。

民間の医療法人に経営を委ねる公設民営化を模索していまし
たが、火中の栗を拾うような事業に名乗りをあげる医療法人が
あるかどうか懸念されていました。

そこへたったひとり、45歳の北海道出身の医師、村上智彦氏が、
自らを代表に医療法人を設立し、この病院の指定管理者として
手を挙げたというのです。救世主を買って出たこの働き盛りの
医師は、どんな青写真を描いているのでしょうか?

北海道夕張市立総合病院の講堂で、村上智彦さん(45)が
熱っぽく語り始めた。

「医療機関は病気のプロだが健康のプロではない。市民自身が
健康への意識を高めることが大切です」

財政が破綻した夕張市にわざわざ来てくれる先生とはどんな人
なのか。講堂を埋め尽くした市民の視線が、村上さんに注がれた。

かつては10人を超えた時期もあった同病院の常勤医は、わずか
2人に減っていた。そこに村上さんが加わったのは先月25日。
講演は「市民や職員に自分の考え方を知っておいてもらいたい」
と、着任の半月前に開かれた。

約45億円の負債を抱える同病院は、市が財政再建団体になる新年度
から、民間に運営を委ねる「公設民営」の医療機関になる。しかし、
市から委託費などの資金は一切出ない。

この割に合わない仕事を、村上さんは引き受けようとしている。
先月初め、自分を代表とする医療法人の設立を道に申請した。

「病院があれば、この先も夕張に住める。本当に安心しました」。
講演を聞いた77歳の女性は、笑顔で病院を後にした。

夕張から北に約200キロの旧歌登町(現枝幸町)の出身。
薬科大を卒業し、道内の病院で薬剤師として勤務した。

そこでは経営最優先の医療が行われていた。患者に少しでも
多くお金を払わせようと、薬の量を増やし、必要とは思えない
検査を受けさせる。何度か病院に改善を提案したが、
その都度、却下された。

自分自身が医師にならなければ、正しい医療は実現できない。
そう考え、病院を辞めて医大を受験したのが27歳の時。
32歳で医師になり、5年間、離島やへき地を巡って経験を積んだ。

生まれ故郷に医師としての原点がある。

北海道は医師が足りない。村上さん自身、歌登町に産婦人科医が
いなかったため病院ではなく自宅で生まれた。そんな古里に
ふさわしい医療は何かを突き詰めた結果、病気にならないための
工夫をする予防医療の考え方に行き着いた。

39歳で赴任した道内の旧瀬棚町(現せたな町)での取り組みで、
村上さんは脚光を浴びる。

町唯一の診療所の所長として、肺炎球菌ワクチンを接種する際の
公費補助を全国で初めて導入。保健師と一緒に町内を回り、
予防医療の大切さを説く「健康講話」などの活動も進めた。

これにより、同町の1人当たりの老人医療費を大幅に減らした。
その試みは「瀬棚方式」と呼ばれ、追随する自治体も相次いだが、
一昨年秋に同町が他の2町と合併したのを機に、
新潟県湯沢町の保健医療センターに移った。

夕張市立総合病院の経営状態を診断した知り合いの医療経営
アドバイザー(長  隆氏)から、夕張への赴任を打診
されたのは昨年秋のことだ。

「行く」と即答した。

夕張市は高齢化率(人口に占める65歳以上の割合)が41%と、
全国の市で最も高い。「それだけに、やりがいがある」と
村上さんは語る。「夕張は、高齢化が進む日本の未来像。
ここで成功すれば新たな医療のモデルになるからです」

今は171床の総合病院を、19床の診療所と40床の
老人保健施設にし、往診による在宅医療を組み合わせようと
考えている。空いた場所には託児所や娯楽施設を作り、
まちおこしの拠点にする……。構想は膨らむばかりだ。

夢を持って運営したいと、医療法人の名は
「夕張希望の杜(もり)」にして申請した。

妻と3人の子供は札幌市に住む。自分は一人暮らしを
続ける覚悟だ。

毎朝、8時前には病院に姿を見せる。日々の診療のほかに
医療法人の設立準備にも追われ、帰宅が深夜になる日も少なくない。

大みそかも宿直勤務をこなし、カップ麺の年越しそばを
食べて、病院で新年を迎えた。そして地元の夕張神社に
足を運び、「いいスタートを切れますように」と願を掛けた。

医師法の第1条にこう書かれている。〈医師は、医療及び
保健指導を掌(つかさど)ることによって公衆衛生の向上及び
増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする〉

日ごろから、この条文をよく口にする。「医師として当たり前の
ことを、普通に進めていきたい」。思いは一貫している。


高度な医療が必要な患者は1000人に1人。地方に必要なのは、
何でも診られる総合医です」。医療についての持論を語る時、
村上さんの口調は熱を帯びる

 
夕張市立総合病院。村上さんが着任したのは、
昨年のクリスマスの日だった。

新聞のインタビューで村上医師は、「大きい病院で最先端の医療を
受ければ病気が治る、というのは妄想だ」と言っています。

まったく同感です。内科医だった父は、私が子どものころ腹痛や
風邪気味、発熱を訴えても、「トイレに行け」とか「一晩おとなしく
して様子をみろ」とか言って、薬もくれませんでした。それで
たいがいは治ってしまうのです。

もちろん油断は大敵ですが、「高度な専門医の治療が必要な患者は
1、2割。8、9割は生活習慣病です。生活習慣を改善して予防
するしかない」と村上医師は言い切っています。

再建案では、現在の総合病院を有床診療所と介護老人保健施設に
再編していきたいということです。3~4人の常勤医師は往診も
行い、在宅医療を定着させ、同時に村上医師の得意分野である
予防医療を徹底させて、最終的に医療費削減につなげる、という
構想です。

この青写真を実現させるには、「専門家にお任せ」ではない、
市民自身による健康の「自己管理」への意識改革が必要なのです。

そのような本質的なことを一般に医療関係者が言い出せないのは、
細分化されたサービス消費に慣らされた「先進文明国ニッポン」の
ビジネス構造に、医療もはめ込まれてしまっているからです。
これが医療費の際限ない増加の一因となっています。その構造を
「破綻した街・夕張」でこそ逆転させてみせることができる、
と村上医師は「わくわくしている」とさえ言っています。

村上医師と夕張市のこの試みには、厚生労働省と医療関係者、
全国の自治体の老人医療関係者も注目すべきです。

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